久しぶりにWonder Rex那珂店に行ったところ、程度の良いAuratone 5PSCが売られていたので躊躇することなく確保した。店側は「コーンに変形あり」とのことだが、スピーカの振動板と、リード線をつなぐ部分に若干凹凸があるのみで、不具合とは到底思えない。エンクロもスピーカエッジもネットも、またネットについているエンブレムも非常に美麗で、年代物という感じもしない。もしかしたら復刻品だろうか。レストアならばすさまじくいい仕事をしている。フェイクだとしても良い値が付くだろう。これが16000円は、安い。
亭主は以前、ネットのお友達・ヌシさんに5PSCを進呈し、代わりにBehringerのUltramatch Pro SRC2496を手に入れていた。しかるに防磁型の5PSCを買い直したいとかねてから思っていたところなのだ。5PSCは亭主が初めて購入したAuratoneということで思い入れも大きい。三つ子の魂百までとはよく言ったものだ。
Auratoneの魅力を語ればきりがないが、コンパクトなエンクロージャにフルレンジというミニマルなデザイン、割り切った出音を亭主は特に好む。よい音かと聴かれて、よい音ですと言い切るのは若干の躊躇と勇気が必要であるが、かといってこれにスーパーツイータやサブウーファを付けてよい結果が得られたという話も聞かない(ちょうどスーパーツイータがあるので今度やってみようか)。Auratoneは録音現場で中域のチェックに使われるいわゆるモニタースピーカであり、これ単独でプロダクトとして完成しているのだ。高域が足りない、低域が足りないという向きには素直に2Way、3Wayをおすすめしている。
Auratoneに代表される小型のフルレンジスピーカは、鉄筋コンクリートの建物で、部屋の隅から、天吊によって鳴らされたときにその真価を発揮する。部屋の隅が絶好のホーンとなって、空間を音で満たすのだ。亭主の自宅のオーディオ環境では、鉄筋コンクリートはおろか天吊すら実現が難しい(壁や天井がスピーカを維持するほどの強度を確保しているか不明だからだ)が、かつて亭主が住んでいた社員寮は天井近くに物入れがあって、ここに置いたときの出音がとにかくご機嫌だった。似たようなセッティングは、たとえばCD店や喫茶店などのオーディオシステムにも見られる。小型のスピーカが溌剌とした音で鳴るのに気がついて、はっと天井を見上げることがある。オーディオ店が本気でセッティングしたスピーカの音とはまた異なる、音楽を楽しむことのできる音である。
亭主現在、AuratoneのシリーズとしてQC-66, 5C, 5Sを所有している。かつては5Cをもう1セット、5PSCを1セット(ヌシさんに進呈)を所有していた。今回5PSCを追加購入したことになるが、さてこれらをどう使い分けていこうか、その案は特に持ち合わせていない。とりあえずサブシステムに繋がっているQC-66を一旦外し、5C/5S/5PSCをとっかえひっかえして楽しもうかと考えている。
コメント