秋葉原のタワーレコードで、Philipsのインイヤーヘッドフォン、SHE9720を買ってきた。
このSHE9720、黄金の耳(ゴールデンイヤー)を持つという音質のエキスパートが監修・審査した製品で、コンサート会場のような臨場感を楽しめるという。音質の良さと値段の手頃さから、シリーズ(SHE9700)として人気なのだそうだ。亭主は格別本シリーズに興味があったわけではなく、また今使用しているイヤフォンに不満があったわけでもない。CDを買うためレジに並んでいたところ(レジにいる店員の数が少ないため)大行列となり、暇を持て余していたなかでふとこの製品を手に取ったに過ぎない。
自宅に戻り聴いてみるとなるほど、低域に深みがある。ギターの胴鳴りにはずしんという重みを感じ、ベースの弦には安定感がある。若干作った感じの低域にも聞こえるが、インイヤーとしては十分すぎる低域だ。もちろん不満もある。タッチノイズ(ケーブルに触れると、触れた音が聞こえる)や装着した時の閉塞感は、本製品に限らずインイヤーヘッドフォン共通の不快な点だ。亭主はインイヤータイプとしてSennheiserのCX300IIも所有しているが、タッチノイズが酷いため死蔵している。
CX300IIと比べると、SHE9720は高域から低域まできめの細かい上質な音で、多少音量を上げてもうるさくない。音数が多くなってもごちゃごちゃと鳴らないため地味で、おとなしい音に聞こえるのが本製品の特徴なのだろう。対するCX300IIは様々な音がバラバラに鳴っているのが気になる。なるほどどうりでCX300IIが死蔵となるはずだ。
インイヤー型は外の音を遮断するため、耳の中に独自の音空間を形成する。外の音が聞こえない分、中の音の質が問われるという点で、オープンタイプに比べてずいぶんとシビアに評価される。SHE9720は(先のインイヤー共通の不快さはあるものの)わりと聴きやすい。しばらくはこれを使っていくつもりだ。
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