パワーアンプ直結システムは、音楽を聴くための最小構成の一つである。
音楽ソースをスピーカに伝えるための伝送路はなるべく短く、また通過する回路は少ない方が良い。音楽を鮮度の高いまま再生する、それがパワーアンプ直結システムの主眼なのだ。
もう一つの最小構成は「CDP+ヘッドフォン」または「携帯プレーヤ+イヤフォン」の構成だが、PAシステムという意味ではパワーアンプ直結がミニマルといってもよさそうである。
ただ、昨今の音楽再生環境の変化を考えると、「CDP+アンプ+スピーカ」のうち、CDPの部分を「DAC」とし、PC側で音楽を再生する構成もありうる。また「アンプ」部分にデジタル信号を直接入れることができれば「アンプ+スピーカ」でも最小構成となる。ただしこの場合のアンプはデジタルアンプが想定されるため、パワーアンプ直結の主旨からは外れてしまう。PCからアナログ音声信号を出力し、アンプで受ける構成は気乗りがしない。
結果的にパワーアンプ直結のもう一つの形態は、「DAC+パワーアンプ+スピーカ」となる。この場合PCからDACに音楽信号をデジタルで送出するため、背後にPCオーディオが存在することになる。
応用例としては、PCからのデジタル信号をCDPに入力し、CDPのD/A機能を通じてパワーアンプにアナログ信号を送出する方法もある。
亭主が所有するAccuphase DP-55Vには、44.1/48kHzのデジタル信号を入力する簡易のDAC機能が備わっているため、この方法が可能。ただしハイレゾ音源は再生できない。
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