2000年11月、かつて大甕にあったCDハウスジュピターのオーディオコーナーで購入したもの。
当時ジュピターには真空管アンプが多数おいてあって、そのどれもがいい音で鳴っていたのですが、特にこのアンプは店の顔とでもいうべきアンプでした。
もともとこのアンプは、ジュピターの店長、渡辺さんのお父様が、勝田駅前で営んでいた「茨城オーディオ」当時の部品を流用して作ったものだと聞いています。作ったのは千葉在住のアンプ専業の技術者さん(銘板にはS.Moritoとあります)。特にInfinityのスピーカとの相性は抜群で、ジュピター店内では9.2iと組み合わせて壮大な音場を奏でていました。
亭主自身もこのアンプの音にとことん惚れ込み、こちらから頼み込んでやっとお店の顔というべきアンプを売ってもらったという、思い出深いアンプです。
その後ジュピターは、市内に大規模な店舗(TSUTAYA及びケーズデンキ)が開店したあおりを受けて閉店、店長さんは東京のオーディオ修理会社へと修行もかねて就職してしまいました。しばらくは東京と茨城を往復する生活を続けておられましたが、半年もすると生活のメインがあちらに移り、同時期に亭主も寮を出た結果、互いに連絡を取り合う術を失い音信不通となりました。
さらに、アンプ製作者であったMoritoさんは、やはり2000年頃にガンを患い死去。大甕にあったジュピターの店舗も最近取り壊されてしまい、ジュピターの影は亭主の前から完全に消えてしまいました。
ジュピターは消えてしまいましたが、真空管アンプの豊かな音は現在も健在。12年という時を超え、PCをミュージックサーバーにAuratone QC-66を駆動し続けています。
もし縁があったら渡辺さんとももう一度お会いしたいところです。
渡辺さんのお父様の思い出がつまったこのアンプを、できればお返ししたいなとも、思っています。
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