浦和駅前に「かめ福」という中華そばの店があって、浦和に住んでいたころは随分通ったものだ。
昔懐かしい鶏がらをつかった醤油味スープに、細く縮れた麺の組み合わせ。トッピングにワンタン、チャーシュー、五目あんかけなどがあって、これらの組み合わせでメニューが決まる。亭主はワンタン麺かチャーシュー麺を良く食べていて、仕送りがあったときなどは奮発してチャーシューワンタン麺にしていた。この店で一番高いメニューは五目チャーシューワンタン麺だったが、学生の身分で常に金欠だった亭主には、夢のまた夢のメニュー、いつか就職して、給料で食べてやろうなどと密かに野望を燃やしていたものだ。
この店の中華そばは、スープも麺もとにかく優しい味で、トゲトゲした部分が一切ないのが特徴だった。かつて亭主はラーメンの類を店で食べると決まって激しい頭痛に襲われていて、外食でラーメン(特に鶏がらベースの醤油ラーメン)だけは食べるまいと思っていたのに、この店のラーメンだけはすんなり体が受け入れた。地味ながらもしっかりとした旨みのあるスープと、柔らかく適度にコシのある麺との相性は抜群だった。
今PCのPictureフォルダを探っていたところ、2007年7月23日にこの店を訪れ、五目チャーシューワンタン麺を食べていた(写真)。本願成就といったところだろうか。
ところで食べログ情報によれば、2015年5月時点で店主の体調が悪く、しばらく休業するとの張り紙が店に貼られているとのことである。実は亭主、夏休みを利用して浦和に遊びにいこうと思っていたのだが、上記の情報に計画変更を迫られている。再開の情報がなければ行っても中華そばは食べられないだろう。店主の一日も早い回復を願いたい。
それにしても、浦和も随分様変わりしてしまったようである。もともと行動範囲がCD店と書店(新品・古本どちらも)程度だった亭主なので、それら店が閉店してしまうとすみやかに路頭に迷うことになる。CD店「ぶれえめん」も随分昔に閉店してしまった。昔住んでいた寮もいまは公園になってしまった。もう浦和に行く用事もないのかもしれない。
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