そのむかし、OrtofonのConcorde 105という小型ブックシェルフ型スピーカを持っておりました。
2001年12月のこと。
オーディオ界隈では大変に評判の良いスピーカで、多くのユーザが使っていたと記憶しています。実際、マニアの中には、このスピーカを複数購入し、トーンゾイレにして使っていたというつわものもおられるそうで。まあ正直そこまでせんでも良いとは思うのですが・・・。
先日ふと思いついて過去ログをあさっていたところ、購入時のインプレなどが発掘されましたので、虫干しついでにここにおいておきますね。
需要があるのかどうかは、知りません。亭主自身8ヶ月で売ったと書いてありました。
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<<メーカ概要>>
Ortofonはデンマークのカートリッジ・メーカで、オーディオ用、DJ用カートリッジを供給。また、同ブランドでスピーカケーブルやRCAケーブルなども販売しており、国内においても良く知られたアクセサリーメーカでもある。Concordeのシリーズ名はこれまでカートリッジにつけられていたもので、オーディオ用スピーカとしてはConcorde 105(\40000/Pair)のほか、Concorde 1614(\80000/Pair) をラインアップしている。
<<仕様>>
エンクロージャはW140×H218×D207(mm)、2.6kg(1個)。前面には24mmのドーム・ツイータと100mmのペーパーコーン・ウーファがそれぞれ同軸上に配置されている。また、背面にはバスレフポートがあり、小型スピーカ、小口径のウーファが苦手とする低域を補っている。周波数特性は80Hz~25000Hzと高域に向って広帯域。インピーダンスは6Ω、出力音圧レベルは87dB/mと、小型スピーカとしては平均的な性能といえる。防磁設計。
<<インプレッション>>
音の傾向は、昨日聴いたGale 4が中域を中心とした音場感で聞かせるタイプとすれば、こちらはアンプからの音を素直に再生するタイプ。購入して初めて音を出した際には低域の固さが気になったが、数時間慣らすうちに低域の固さは消え、ある程度の量感が得られるようになった。高域は、当初からしっかりと出る。ただし、色付けが少ない分乾いた音に聞こえる。 幾つかソースを聴いてみた。
"The Joy of Standards / Joe Chindamo Trio, 澤野工房"ピアノ、コントラバス、ドラムのピアノ・トリオ。ピアノソロは右手が硬い。前面にグイグイと出てくるような雰囲気はなく、むしろさっぱりとした印象。コントラバスの感じは出ているものの、ピアノの音と混じると主体性が失われてしまうのが残念。ドラムはシンバルの音が乾いた感じ。
"Matchbook / Ralph Towner, ECM"ギターとビブラフォンの組み合わせ。弦の音はそれほど前に出ず。ビブラフォンの高域に抜ける音はしっかり伸びていて存在感をアピールしている。美しい。ツイータの性能が光る。
"Night Music / Sugiurumn, Midi" 男性ヴォーカル+シンセの音。シンセのふわりとした音は雰囲気良し。ディレイやエコーを使った擬似的な音場も充分に再現される。椎名純平のヴォーカルはまあまあ。
"Expo Expo / m-flo, Avex" 女性ヴォーカル+シンセの音。ヴォーカルのLisaの声はもう少し伸びて欲しいが、金属的な音はしっかり伸びているので録音の良し悪しか。音数が多くなるとごちゃごちゃと混濁する。
<<まとめ>>
高域は優秀で、キラキラした音はさっぱり気味だが美しい音。中域は控えめでヴォーカルなどは引っ込み気味。低域の量感はほどほど、解像度は今一つ。音が積極的に出てこない点、音数が多くなると音が混濁気味となる点は気になるが、ピアノ・ソロやミニマル・ミュージック、器楽曲のような楽器の見える曲では気持ちよい音が聴ける。駆動力のあるアンプならば、ヴォリュームを上げて部屋を音で満たすのがよい。サブウーファの追加も面白いかもしれないが、キビキビした低音を得るための工夫が先決だろう。
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