亭主にとって音楽とは、自身の感情や心のありようを代弁するものだったりします。
会社に入って4〜5年経った頃、ある開発の主担当となり一カ月の残業時間が270時間を超えた時も、音楽のおかげで精神を(それなりに)保つことができました。つらさであるとか、絶望感であるとか、そんなもの一切合財を心の外に締め出すために、移動中はいつも音楽を聴いていました。
世の中に希望なんてものが都合よく転がっているわけもなく、あるとすればそれはどこかからもたらされるか、自分から進んで見出すしかない。
倦み疲れ、希望がどこからも、自分の中からも見出せない状況に直面したら、干上がった沼底の蛙のように、土の中で、ただひたすらに希望がやってくる時を待つしかない。
毎度お疲れな亭主ですが、先の一件で心のバリアーだけは人よりも抜きん出て堅くなりました。
干上がった沼の底にふさわしい音楽は何だったかと思い返して、当時からテクノばかりを聴いていたように思います。ストレスでメタメタになりそうな心臓の鼓動も、正確に繰り返されるビートさえあれば一定に保つことができる。
テクノというジャンルを好んで聴き始めたのはこれよりはるか前の話ですが、絶望の時期を経てさらにこのジャンルに傾倒したのは事実です。
The Other Day / Jeff Mills
美しい旋律や感動の歌詞などなくとも人は救われる。
亭主の外側を巡る音楽こそが、亭主の心の本体だった。
Welcome To Tackletown / Mekon(MP3 download)
そんな時代を潜り抜けてきた亭主でありました。
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